おーじの覚書

忘れちまった事、忘れらんねぇ事

2016-01-01から1年間の記事一覧

滑らない話

皆さんは滑らない話をお持ちだろうか。 人間、生きていれば滑らない話の一つや二つはあるのが自然だろう。 私とて例外ではない。 なので今回は私のとっておき、百戦錬磨の滑らない話を披露したいと思う。 中学生の頃だ。 友達がいた。 名前は仮にU太くんとし…

儚げな少女に消えられたい

儚いものに惹かれる。 恒常的、永久的にそこに存在し続ける安定したものよりも、いつ消えてしまうのかと心配になるような不安定なものこそを愛でたい、と思っている。 春の終わり、桜木に残った最後のひとひらのような 冬の朝、水面に張った脆く薄い氷のよう…

笑顔の話

笑顔とは素晴らしいもので、自分も良く笑う人が好きだ。 良く笑う人の周りにはおのずと人が集まり、やがてそれらも等しく笑顔となる。 笑顔の輪は広がり続け、やがて世界へ。 世界進出した笑顔はsmileへと進化し更にはsourireやLächelnとなり国境を超える。 …

神無月の話

気付けば10月。生まれてこの方、関東平野に肩までどっぷり浸かっていた私が、関西の山あいにやって来て丁度半年がたった。仕事はそれなり。趣味もそれなり。だが、それについては人と人の繋がり方とは斯くも面白いな、と膝を打っている。自分の趣味はゲー…

風情厨とかいうパワーワードで殴られた話

だいぶ前の話になる。 なので、詳細な事の起こりはほとんど覚えていない。 たしか旅行の計画を立てている時だったか。 自分が「静かな旅館で美しい景観を愉しみながら美味しい料理と酒を頂ければ良い」といったような提案をした際、唐突に「あんた風情厨なと…

『君の名は。』の話

※ネタバレ有 数々の感想や批評ブログが既にある中で、もう今更自分が感想をブログにすることもないかと思ったが、一応自分の中でのこの作品の位置づけを確認する為にも文字に起こすことにした。 あらすじや細かいことは書かずにすっ飛ばして思ったこと、感…

誤字の話

私は現在、会社の社員寮に住んでいる。寮の玄関は共通で、ちょうど公民館のようなイメージだ。 この玄関横には黒板が設置されており、管理人さんからのお知らせやら張り紙やらを掲示するようになっている。 7月の初めくらいに、そこにこのような文章が手書…

夏にブランド感を抱いている話

日本に四季があって良かったな、と思う。時の流れを五感で享受できるのは素晴らしいことである。 もしも日本が万年極寒で、枯れ木を踏みしめながら止むことのない吹雪を耐え忍ぶ不毛の大地だったとしたら、私はきっと心が荒んで中二でグレていた。 そしてグ…