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おーじの覚書

日々考えては霧散していくような何でもないことを覚え書き程度に。へヴィメタルと格ゲーを愛する社会人一年目

ペットの話

日々の話

私は動物が好きだ。

今は一人暮らしでペットを飼っていないが実家にはヨークシャテリアとよくわからないプードル(こいつは私が家を出た後に来たので本当によく知らない)の二匹がいる。

その前にもポインターという猟犬の類いと長年過ごしてきたし、振り返ってみれば人生で実家にペットがいなかった時間は皆無である。

猫がいた期間もあったし、一晩で逃げ出したがハムスターも飼っていた。

ので、基本的に生き物を飼うことは大好きだ。またいつか自分でも犬やら猫やらを飼いたいと思う。

しかしだ。本当に本心から、喉から手が出るほど飼いたいものは実は犬や猫ではない。

「何でも売っているペットショップ」があったとして、そこに訪れた私の目を捕えて離さない、買って帰りたい生物No.1といえば、そう。

 

 

 

 

 

 

もちろんドラゴンである。

 

当然である。ドラゴンを飼いたくない男子なぞ存在しない。

この世に男(おのこ)として産み落とされた以上、竜を駆らずしてその生に意味はなく、果てはドラゴン・マスターとして歴史に名を残すことこそ全ての戦士の誉れである。

よって、私はペットショップにブリティッシュショートヘアの子猫とチワワの子犬とニーズヘッグの子竜がいたら迷わずにニーズヘッグの子竜を連れて帰る。

ブリティッシュショートヘアに翼はないし、チワワは炎を吐くことすらもできない。そもそも生物としての格が違うのだ。

ニーズヘッグは神々と巨人の最終戦争ラグナロクに際して、その漆黒の翼をはためかせ地獄の戦場を生き延びたと言われているが、チワワやブリティッシュショートヘアに果たしてその芸当できるのか。

あの大狼フェンリルすら生き残れなかった修羅場を小型犬チワワが生き残れるはずはない。

恐らくスルトあたりが広範囲に常時放っている熱気で開戦まもなく蒸発するのが関の山だろう。

力、権力こそが全てを制する厳しい世界であるのはアスガルドでも現代社会日本でも何ら変わりはない。相棒として選ぶならば地上で最も強く、そして気高い種族でなくてはならない。

 さあ君も今日から早速ドラゴンを飼おう。

 

 

 

 

 

はじめてのドラゴン

 

さあ、お気に入りのドラゴンをペットショップで見つけたらいよいよ君とドラゴンの共同生活が始まる。

しかし、ここで焦ってはいけない。ドラゴンといっても赤ちゃんの時はちょっと大きいトカゲとあまり違いはない。

変温動物だが、平均体温が非常に高い動物である。ケージの温度管理を怠らないこと。リンドヴルムなどの水竜種を飼う際は水場の確保も徹底してほしい。

餌は基本何でも食べるが、少し成長したファヴニールは強欲にも宝石を欲しがることがあるので宝石代理店とのパイプを確保しておくのがベターである。

 

 

 

 

 

火を吐く練習を始めたら

 

ドラゴンの魅力の一つはその口から吐き出される紅蓮の炎だろう。

炎は力だ。有無を言わせぬ説得力、滾る憤怒と慟哭を熱エネルギーに変換し、対象を灰燼へと帰す。

 ムカつくアイツも、いけ好かないコイツも、全てドラゴンブレスでスッキリ燃やしてしまおう。

ドラゴンのいる生活は対人関係が極めて円滑だ。

 君の指パッチン一つでドラゴンが首をもたげた瞬間、老若男女問わず誰でも笑顔で君のトモダチになってくれるだろう。

 会社や学校の対人関係で悩んでいるそこの君にこそドラゴンと過ごすストレスフリーな毎日を手に入れて欲しい。

もう今これを読んでいる君は「あ~~早くアイツ燃やしてぇぜ~~」と気持ちが逸っていることだろう。

だが、少し待ってほしい。最初から上手に炎を吐けるドラゴンは残念ながらいないのだ。

 君が子供の頃、日が暮れるまで逆上がりを練習したように、ドラゴンも少しずつ炎を吐く練習をするのだ。そもそもドラゴンの炎を吐くという行為は人間でいうと汗をかくことに近い。

 つまりは代謝だ。怒りによって高まったその高い体温を炎として体外に放出することで体温を調節しているのだ。なので、無闇やたらと「オラ吐け!!!!!」といじめないことだ。

 特に吐きはじめの幼いころは器官が発達していない為、うまく炎を吐けずに「ケホッ」と空撃ちしてしまうことが多々ある。エネルギーになる肉類をきちんと与えながら焦らずに見守ってあげよう。

余談だがこの炎を空撃ちしてしまう仕草は非常に可愛く、特に女子の竜使いに人気で、よくinstagramに動画や写真が投稿されているのを見かける。

 

 

 

 

 

空を飛んでみよう

 

炎を一人前に吐けるぐらいに成長したら次は飛行だ。

これは特に特別な方法はないのでまずは部屋の中で練習させてやって、慣れたら広い場所に変えよう。

背中に君が乗れるくらいまで成長したら車を使わずともドラゴンに乗って買い物に行ける。駐車場で車に混じってちょこんとドラゴンが座っている光景はまたおつなものである。

休日は仲間内のドラゴンライダーで編隊を組んでツーリングに出かけるのもまた楽しい。

またまた余談だが、発情期のオスのドラゴンは自動車をメスと勘違いして交尾に及ぼうとする事例も報告されているので、買い物に出かけて駐竜する際は注意だ。

 

 

 

 

 

ワイバーンをいじめない

 

子供の頃、欲しいゲームソフトがあっても買ってもらえず、「周りの皆は持っているのに!」と悲しい気持ちになった経験をした人も多いだろう。そして代わりに別の安いものを買い与えられて我慢させられたり…。

 実はこれ「ドラゴン界隈」でも似たようなことがある。

ワイバーンである。ワイバーンはいわゆる翼竜種だが、ドラゴンのような真の血統種からはワンランクほど格が落ちる。値段も安価で小型で飼いやすいが人気はあまりない。加えて言えば、あまりおりこうさんでもない。

なので、ドラゴンを飼えない貧しい家庭では往々にして「ドラゴンよ」と子供に嘘を言ってワイバーンを飼うケースが後を絶たない。

初めはキャッキャと喜ぶが、子供は残酷だし、大人が考えているよりもずっと目ざとい。

ある日友達にこう言われてしまう。

 

「お前んちのドラゴン、いつまで雛やってんの?」

 

そして気づくわけだ。うちのドラゴンは友達のドラゴンとは違う。なんか小さい。あと前足ない。

 「お母さん!ドラゴンって本当は翼と前足が別々って本当!?」

こんな悲しい会話を親子間で生み出してはならない。

ワイバーンには優しくすること。

ただ問題なのはドラゴンの中にもワイバーンを劣等種と見なして無下に扱うものがいることだ。

 「アンタのとこのドラゴンがうちのワイバーンにおしっこかけたんだけど!!」

といったご近所トラブルになりかねないので、ドラゴンの躾はしっかりとすること。

 

 

 

 

 

ドラゴンと共に

 

無事に成長し、灼熱の炎を放ち、大空を翔るようになった一人前のドラゴン。きっとその頃には、君自身もまた成長しているに違いない。

ドラゴンは君の映し鏡だ。ドラゴンが気高くあるように君も誇り高い戦士へと変わっているはずだ。

ドラゴンの側からすればか弱き人の身に苛立つこともあったろう。

なぜ怒らぬ。なぜ闘わぬ。なぜ殺さぬ。なぜ滅ぼさぬ。

ストレスから尻尾の一振りで二階建てを更地にしたこともあった。

 しかし、君が時間をかけて注いだ思いやりや愛情は、今やしっかりとドラゴンの心に息づいている。

本来怒りや衝動の感情が強いドラゴンに優しさや信頼の感情を芽生えさせるのは竜使いの導きをおいて他にない。

これを以てして初めて、無為の暴力であった竜の炎に正義と誇りの闘志が灯り、何者にもかき消されることのない無二の輝きへと昇華されるのだ。

きっと他のどのペットでもこのような成長や感動は与えてはくれない。

 人竜一体。人と竜は互いを高め合いながら生きていく。

 

 

 

 

 

ドラゴンとの別れ

 

生きとし生ける者、必ずその終わりが来る。

 ペットを看取った経験のある人ならば、その教訓を肌で実感していることだろう。

 しかし、終わりが在るからこそ尊いのだ。限りあるからこそ瞬きのうちに輝けるのだ。

 だが、ドラゴンとの別れは他のペットとは少しだけ毛色が違う。

 

ドラゴンは人より圧倒的に長生きである。

まず、飼い主より先に逝くことなどない。

すなわちドラゴンと君が別れるとしたら、息を引き取るのは高確率で君の方だということだ。

だが安心して欲しい。君の心血と誇りを受け継いで、ドラゴンはこれからも生き続ける。こんなこと、他のペットではまず体験できない。

ドラゴンはとても頭の良い種族だ。何百年、何千年たっても恩を受けた君のことを決して忘れることはない。

 どうか安心して永久の眠りについて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

むすび

 

ペットとは家族だ。等しく生きる命である。

ここまで熱く語ってきたが、犬を飼うことも、猫を飼うことも、ドラゴンを飼うことも、そこに貴賤は全くない。

種族に関係なく、君が選んだパートナーに精一杯の愛情を注いでもらえたら、それだけで十分だ。

 ただ、ドラゴンと過ごす日々はとてもエキサイティングで君の人生に色彩を与えてくれることは間違いないことだがねHAHAHA

 ここまでお付き合いいただき、本当にありがとう。

 

 

では次回、「ギャラルホルン入門~ゼロから始める黄昏の報せ方~」でお会いしましょう。